アルツハイマー型認知症における抗精神病薬の累積投与量が、既知の危険因子で調整後の全死亡率に対して及ぼす影響について、デンマーク・オールボー大学病院のR E Nielsen氏らが検討を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2016年6月30日号の報告。

全国集団ベース後ろ向きコホート研究により、アルツハイマー型認知症と診断された患者における死亡率をアウトカムとしてを調査した。

主な結果は以下のとおり。

・4万5,894例を対象として、追跡期間(380万3,996人年)における死亡数は2万7,894例であった。
・重症度と身体的および精神的併存疾患のマーカーで調整後、抗精神病薬累積曝露は、死亡率を増加させた。
1日投与量0~90未満(HR:2.20、95%CI:2.14~2.27、p<0.001)
1日投与量90~365未満(HR:1.81、95%CI:1.74~1.89、p<0.001)
1日投与量365~730未満(HR:1.38、95%CI:1.428~1.49、p<0.001)
1日投与量730以上(HR:1.06、95%CI:0.95~1.18、p=0.322)

出典

Nielsen RE, et al. Acta Psychiatr Scand. 2016 Jun 30. [Epub ahead of print]