うつ病女性において標準的な治療では十分な効果が得られないことがある。クレアチン水和物や5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)による従来の抗うつ薬治療の増強療法は、女性のうつ病に関連するセロトニン産生や脳の生物学的因子の欠損を補正し、相乗的な効果をもたらす。米国・ユタ大学のBrent M. Kious氏らは、SSRIまたはSNRI単独療法で効果不十分なうつ病女性に対する、5-HTPおよびクレアチン増強療法に関するオープンラベル試験を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2017年8月5日号の報告。

SSRIまたはSNRIを十分に服用し、現在もうつ症状が残存している女性15例(HAM-D17スコア16点以上)を対象に、クレアチン水和物5g/日と5-HTP 100mg 1日2回による増強治療を8週間行い、4週間フォローアップした。主要アウトカムは、平均HAM-Dスコアの変化量とした。

主な結果は以下のとおり。

・平均HAM-Dスコアは、前処置時の18.9点(SD:2.5)から7.5点(SD:4.4)に低下し(p<0.00001)、60%の減少が認められた。
・治療に関連した重篤な有害事象は認められなかった。

著者らは「SSRIまたはSNRI治療抵抗性のうつ病女性に対するクレアチンと5-HTP併用療法は、効果的な増強戦略であると考えられる。本研究は、小規模なオープンラベル試験であるため、今後は無作為化プラセボ対照試験により明らかにする必要がある」としている。

出典

Kious BM, et al. J Clin Psychopharmacol. 2017 Aug 5. [Epub ahead of print]