注意欠如多動症(ADHD)は学習障害や自閉症などの他疾患を併発することが多く、ADHD単独の関連因子は明らかになっていない。Malek氏らはADHDの危険因子を調査し、Arch Iran Med誌2012年9月号で報告した。

対象はタブリーズ大学(イラン)の児童思春期精神科クリニックを受診したADHD患児164例。コントロール群として健常な小中学生166名をランダムに抽出した。診断はK-SADSを用い、DSM-IV-TRに基づき行った。分析はカイ二乗検定、二項ロジスティック回帰分析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・ADHDの罹患には、男児(OR 0.54、95%信頼区間: 0.34~0.86)と母親の就労(OR 0.16、95%信頼区間: 0.06~0.86)が関連していた。
・出生季節、家族の人数、出生順位、親戚関係はADHDの危険因子とはいえなかった。

出典

Malek A, et al. Arch Iran Med. 2012;15:560-563.