Cedo Miljevic氏らは、非定型抗精神病薬(アリピプラゾール、クロザピン、ジプラシドン、オランザピン、クエチアピン、セルチンドール、アミスルピリド)の神経保護に及ぼす影響を、in vitroにおけるヒト赤血球中の抗酸化防御酵素活性測定にて検討した。その結果、アリピプラゾールとクエチアピンは神経保護作用を有する可能性が示唆された。Human psychopharmacology誌オンライン版2012年11月5日号の報告。
23~39歳の非喫煙者健康男性15名の血液を使用した。採取された血液と薬剤は1時間、37℃にてインキュベーションした後、還元酵素であるCu/Zn-スーパーオキシドディスムターゼ(SOD1)、カタラーゼ(CAT)、セレン依存性グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン還元酵素活性を測定した。
主な結果は以下のとおり。
・SOD1活性は、対照群と比較し、アリピプラゾール群(p<0.01)およびクエチアピン群(p<0.05)で統計学的に有意な増加が認められた。
・ネイティブポリアクリルアミドゲル電気泳動後のSOD1活性プロファイルによると、アリピプラゾールとクエチアピンは過酸化水素による阻害から酵素活性を守る働きが認められた。
・セルチンドールは、対照群と比較し、CATの活性を低下させることが示唆された。
・セルチンドール群では、SOD1とグルタチオンペルオキシダーゼの間に負の相関が認められた。
・そのような状況では、過酸化水素の増加は赤血球を保護することができ、抗酸化から酸化促進へ役割を変換すると考えられる。
出典
Miljevic C, et al. Hum Psychopharmacol. 2012 Nov 5. [Epub ahead of print]