認知症患者では徘徊行動がしばしば問題となる。そして、車での徘徊となるとさらに問題は大きくなる。Meredeth A Rowe氏らは、認知症患者が車で徘徊した際の発見方法やシルバーアラートの効果に関してレトロスペクティブに検討を行った。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2012年11月7日号の報告。

2008年10月~2010年5月でフロリダシルバーアラートプログラムより抽出した156データを使用し分析を行った。アラートデータは、フロリダ州で認知症ドライバーの行方不明者を発見するために使われた。

主な結果は以下のとおり。

・行方不明者の過半数は、配偶者に介護されている58~94歳の男性であった。
・ほとんどの人は、介護者も把握しているいつもの場所への外出で行方不明になっていた。
・発見時、運転していた人はわずか15%であり、停車中の車内やその近くで発見された。
・大多数は警察により発見された。
・行方不明になった場所と同じ郡で発見された人はわずか40%であり、10%は別の州で発見された。
・対象の5%は死亡した状態で発見されており、一人暮らしの人のほうが死亡率が高かった。
・15%は線路上など危険な場所に車を停止している状態で発見された。
・32%は間違った道や人里離れた地域を運転したり、車道を歩いたりといった危険な行動をしていた。

出典

Rowe MA, et al. J Am Geriatr Soc. 2012; 60: 2063-2069.