薬剤抵抗性てんかんに関する新たな定義が、国際抗てんかん連盟(International League Against Epilepsy:ILAE)より最近発表された。これまで、同定義のコンセンサスは得られているものの、適用性に関する臨床的および探求的な検討は行われていなかった。カナダ・サスカチュワン大学のJose F. Tellez-Zenteno氏らは、同定義について、臨床集団を対象とした信頼性および妥当性についての初となる検証を行った。その結果、従来定義と比べても遜色なく、普遍的な臨床的重要性を有するものであったと報告している。Epilepsia誌オンライン版2014年5月14日号の掲載報告。

試験は二相にわたって行われた。第I相試験では、2名の独立した評価者が、カルテから無作為に抽出した97例のてんかん患者を評価して行われた。患者はいずれも反復性の発作を有していた。これらの患者について、ILAEコンセンサスと標準的な診断基準の両方を用いて評価を行った。カッパ係数、重み付けカッパ係数、級内相関係数(ICC)を用いて、観察者間および観察者内変動を測定した。第II相試験では、ILAEコンセンサス基準をてんかん患者250例に適用し、薬剤抵抗性てんかんと関連するリスク因子について評価を行い、有病率を算出した。

主な結果は以下のとおり。

・4つの定義に関する観察者間の一致状況は次のとおりであった。Bergの定義0.56、Kwan&Brodieの定義0.58、Camfield&Camfieldの定義0.69、そしてILAE定義0.77であった。
・観察者内変動の一致状況は、それぞれ、0.81、0.82、0.72、0.82であった。
・薬剤抵抗性てんかんの有病率は、各定義においてそれぞれ28.4%、34%、37%、33%であった。

出典

Tellez-Zenteno JF, et al. Epilepsia. 2014 May 14. [Epub ahead of print]