統合失調症患者において、食習慣や生活習慣の改善が、平均余命、疾患の合併症および予後に、影響を及ぼす可能性がある。バーレーン・アラビア湾大学のHaitham Ali Jahrami氏らは、バーレーンの統合失調症患者の食習慣や生活習慣行動を評価し、合併症との関連について検討を行った。Asian journal of psychiatry誌2017年8月号の報告。

本研究は、2016年3~12月に実施された症例対照研究である。対象は、バーレーンの精神科病院より抽出した統合失調症患者120例と年齢、性別をマッチさせた対照群120例。対照群は、プライマリヘルスセンターより抽出した、重篤な精神疾患のない患者とした。喫煙、アルコール摂取、身体活動を含む食習慣および生活習慣行動は、アンケートを用いて収集した。すべての医療記録をレトロスペクティブにレビューした。1つ以上の合併症に関連する食習慣および生活習慣の危険因子は、ロジスティック回帰分析を用いて同定した。

主な結果は以下のとおり。

・統合失調症患者は、対照群と比較し、喫煙率およびアルコール摂取率が高く、食物摂取量が過剰であり、身体活動が低下していた(すべて、p<0.05)。
・統合失調症患者では、肥満、2型糖尿病、高血圧、心血管疾患、筋骨格系障害の発症リスクが高かった。
・統合失調症患者は、対照群と比較し、3つ以上の合併症を有する割合が3倍以上高かった。
・過度な食物摂取および身体活動の低下が、主要な危険因子と同定された。

出典

Jahrami HA, et al. Asian J Psychiatr. 2017;28:115-123.