統合失調症に対するアリピプラゾール月1回投与(AOM)とパリペリドンパルミチン酸エステル(PP)の相対的な有効性および忍容性を比較するため、韓国・カトリック大学校のChi-Un Pae氏らが検討を行った。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2017年4月20日号の報告。

AOMおよびPPを使用した短期プラセボ対照ランダム化研究を、広範なデータベースより検索した。2つの長時間作用型抗精神病薬注射剤(LAIA)の間接的な治療比較を行った。有効性の主要エンドポイントは、LAIAとプラセボのPANSS総スコアの平均変化量とした。エフェクトサイズは、2つのLAIA間の有効性の主要エンドポイントと安全性、忍容性についての平均差、オッズ比(OR)、95%CIとした。

主な結果は以下のとおり。

・有効性の主要エンドポイントにおける平均差は有意に異なっており、PPよりもAOMで良好であった(OR:-6.4、95%CI:-11.402~-1.358)。感度分析と非劣性テスト(AOM vs.PP)が主要な結果であることを確認した。
・全体の早期脱落率は、両群間で有意な差は認められなかった(OR:1.223、95%CI:0.737~2.03)。
・しかし、有効性の欠如による早期脱落率について、PPよりもAOMで有意に良好であった(OR:0.394、95%CI:0.185~0.841)。

著者らは「本分析には限界があるものの、統合失調症の短期治療において、PPよりもAOMに相対的な利点があることが示唆された」としている。

出典

Pae CU, et al. Int Clin Psychopharmacol. 2017 Apr 20. [Epub ahead of print]