補助的アリピプラゾール療法は、高プロラクチン血症を改善することは知られているが、性機能障害に対する効果についての十分なエビデンスが得られていない。名古屋大学の藤生氏らは、性機能障害を有する統合失調症患者に対する補助的アリピプラゾール両方の有用性を評価した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2016年9月22日号の報告。

抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、性機能障害を有する日本人統合失調症患者22例を登録し、19例が試験を完遂した。アリピプラゾールは、各医師の判断に応じ、フレキシブルタイトレーションスケジュールにて投与し、24週間追跡を行った。血漿プロラクチン、CGI-S、名古屋式性機能アンケート(NSFQ)を、ベースライン時および4、8、12、24週目で測定した。

主な結果は以下のとおり。

・4週目以降のプロラクチン値は、ベースライン時よりも有意に低かった。
・ベースライン時と比較すると、8週目以降のNSFQによって測定された総性機能障害の有意な改善が認められた。
・男性では、24週目に勃起不全が有意に減少した。
・女性では、24週目に月経不順、乳汁分泌が有意に減少した。
・CGI-Sの有意な変化は認められなかった。

出典

Fujioi J, et al. Pharmacopsychiatry. 2016 Sep 22. [Epub ahead of print]