一般的に睡眠薬の長期使用にあたっては耐性や依存などに留意すべきである。また、長期使用時に効果の減弱が認められることもある。Randall氏らは世界で汎用されている睡眠薬であるゾルピデムの長期有効性を無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験で検証した。Sleep誌2012年11月1日号の報告。

対象は、DSM-IV-TRにて原発性不眠症の基準を満たす健康成人91例(年齢23~70歳)。毎夜就寝30分前にゾルピデム10㎎(60歳超の患者では5㎎)またはプラセボを8ヵ月間投与した。1ヵ月目および8ヵ月目の2夜に睡眠ポリグラフ検査と朝の睡眠の評価を行った。

主な結果は以下のとおり。

・1ヵ月目と8ヵ月目の評価において、ゾルピデム群はプラセボ群と比較し、総睡眠時間と睡眠効率は有意に増加し、睡眠潜時と入眠後の覚醒は減少した。
・全体として、効果の主観的評価は治療群間で差が認められなかった。
・ゾルピデムの治療効果は8ヵ月間の継続使用期間においても維持された。

出典

Randall S, et al. Sleep. 2012; 35: 1551-1557.