うつ病は有病率が高くQOLに影響を与えることから、うつ病の予防因子を特定するため多くの研究が求められている。カナダ・トロント大学のGeorge Mammen氏らは、運動がうつ病の発症を予防するかを前向き研究のメタアナリシスにより検討した。American journal of preventive medicine誌2013年11月号の報告。

身体活動とうつ病との関係を検討した縦断的研究を2012年12月までに各データベース(MEDLINE、Embase、PubMed、PsycINFO、SPORTDiscus,、Cochrane Database of Systematic Reviews)より検索を行った。抽出されたデータは、2012年7月から2013年2月の期間で分析された。研究の質は2名の独立したレビュアーが評価した。

主な結果は以下のとおり。

・検索結果より得られた6,363件のうち30件の研究が分析対象となった。
・このうち25件の研究で、ベースラインの身体活動とその後のうつ病リスクとの間に負の相関があることが示されていた。
・大半の研究は方法論的な質が高く、身体活動が将来のうつ病発症を予防することを示す結果であった。
・身体活動はどのようなレベルであれ(たとえ1週間当たり150分未満のウォーキングなど低いレベルであっても)、うつ病の予防に有効であると考えられる。

出典

Mammen G, et al. Am J Prev Med. 2013; 45: 649-657.