小児における急性反復痙攣およびてんかん重積状態に対するレベチラセタム静注の有効性と安全性が、観察研究の結果、確認された。英国・Alder Hey小児病院のMcTague A氏らによる報告で、「長時間作用性抗痙攣薬としてフェニトイン静注にとって代わるものかを無作為化臨床試験で判定すべきである」と提言した。Seizure誌2012年9月号掲載報告より。
観察研究は2年にわたって行われ、急性反復発作(ARS)あるいは痙攣性または非痙攣性てんかん重積状態(SE)の治療として、レベチラセタム静注を受けた全患者を評価した。発作タイプ、てんかん症候群と基礎原因、レベチラセタム静注の初期負荷投与量およびその有効性と安全性、また最終フォローアップ時の本剤投与状況について調べた。
主な結果は以下のとおり。
・0.2~18.8(平均7.1)歳の51例が評価された。45例は急性ARSまたはSEを呈し、6例は通常の経口抗てんかん薬の継続投与ができなかった。
・45例の急性ARSまたはSE患者における、レベチラセタム静注の初期投与量中央値は14.4(範囲5~30)mg/kgであった。
・ARSを呈した39例のうち23例(59%)は、発作が抑制された(seizure-free)。
・痙攣性を呈した4例のうち3例(75%)と非痙攣性を呈した2例は、レベチラセタムにより重積状態から脱した。
・攻撃的行動が3例の患児でみられ、そのうち1例は投与継続が中断された。
・ARSまたはSEを呈し治療を受けた45例のうちの34例(76%)を含む42例(81%)は、最終フォローアップ時点で本剤投与後2~18ヵ月にあり、レベチラセタム投与が継続されていた。
出典
McTague A et al. Seizure. 2012;21:529-534.