運動能力と過体重/肥満との重要な関連が示唆されている。運動困難な多くの子供たちは、ADHD症状を経験し、それは過体重/肥満と関連している。これまでの研究では、過体重/肥満との関連を調査する際、ADHDと運動能力の両方について考えられていなかった。ブラジル・サンパウロ大学のJuliana B Goulardins氏らは、子供の運動能力とADHD症状、肥満との関連を調査した。Research in developmental disabilities誌オンライン版2016年5月20日号の報告。

6~10歳児189例について、横断的研究を行った。ADHD症状は、SNAP-IV評価尺度を用いて評価した。運動障害(MI)は、Movement Assessment Battery for Children-2(M-ABC-2)を用いて評価した。身体組成は、WHOのChild Growth Standardsに基づいたBMIから推定した。

主な結果は以下のとおり。

・性別やADHDで調整した後、BMIと関連した唯一の運動技術はバランスであった。
・グループ間比較では、過体重ADHD児の割合は、過体重コントロール群や過体重MI群と比較し有意に低かった。また、低体重ADHD児の割合は、低体重MI児の割合より有意に高かった。

結果を踏まえ、著者らは「ADHD症状と運動困難の両方を考慮し、ADHDや運動問題を有する子供たちの身体健康アウトカムに対する評価や介入を行うことが重要である」としている。

出典

Goulardins JB, et al. Res Dev Disabil. 2016 May 20. [Epub ahead of print]