喫煙している糖尿病患者は、心血管疾患を発症したり、若くして亡くなったり、細小血管合併症を伴う可能性のある高リスク群であるといわれている。Osme氏らは糖尿病患者におけるうつ症状や不安症状の有病率と喫煙との相関を明らかにするため検討を行った。Diabetol Metab Syndr誌オンライン版2012年8月21日号の報告。

対象は喫煙糖尿病患者(DS群)46例、非喫煙糖尿病患者(D群)46例、非糖尿病喫煙者(S群)46例。3群間でうつ症状や不安症状の有病率が異なるかどうかを評価し、最終的には、ニコチン依存が喫煙者の不安症状やうつ症状と関連しているかどうかを検証した。評価には、HADS(病院不安およびうつ尺度)、ファーガストロームテスト(ニコチン依存度判定テスト)を用いた。

主な結果は以下のとおり。

・DS群におけるうつ症状および不安症状の有病率はそれぞれ30.4%、50%であり、D群またはS群と比較し不安症状(p=0.072)、うつ症状(p=0.657)の割合に有意な差は認められなかった。
・男性糖尿病患者では、喫煙者は非喫煙者と比較し不安症状の有病率が高かった(19.6% vs 2.9%、p=0.003)。
・重度のニコチン依存症の有病率は、DS群で39.1%、S群で37.1%であった(p=0.999)。
・ファーガストロームテストスコアと、不安スコア(p=0.726)、うつスコア(p=0.345)との間に有意な相関は認められなかった。

出典

Osme SF, et al. Diabetol Metab Syndr. 2012 Aug 21. [Epub ahead of print]