双極性障害女性において、生殖サイクルイベントは、気分エピソードと関連していることがエビデンスで明確に示されている。しかしながら、臨床的特徴との関連を調査した研究は少ない。オーストラリア・ウェスタンシドニー大学のTania A Perich氏らは、生殖サイクルイベントにおける気分症状と、生涯を通じて重大だと思われる障害の特徴との関係を検討した。The Australian and New Zealand journal of psychiatry誌オンライン版2016年9月28日号の報告。

対象は、18歳以上の女性158例。対象者は、オーストラリア・シドニーのBlack Dog Instituteの専門クリニックを通じ集められた。

主な結果は以下のとおり。

・77%の女性は、月経周辺期、出産後または更年期期間中に気分症状の増加を報告した。
・これらの女性は、生殖サイクル関連の気分変動を報告しなかった女性と比較し、うつ病、軽/躁病エピソードの発症歴を有しており、不安障害、ラピッドサイクラー、混合性気分障害併存の可能性が考えられた。
・出産後エピソードを経験した女性では、月経周辺期、更年期の女性より、気分症状がより悪い可能性が高かった。

出典

Perich TA, et al. Aust N Z J Psychiatry. 2016 Sep 28. [Epub ahead of print]