双極性障害のラピッドサイクラーに関連する臨床的要因や抗うつ薬の役割を解明するため、スペイン・バルセロナ大学のMarc Valenti氏らは検討を行った。Bipolar disorders誌オンライン版2014年2月12日号の報告。
本研究は、最大14年間症状や治療が継続された双極性障害患者289例を対象とした、前向き自然主義的コホート研究として実施された。対象患者をラピッドサイクラー群48例、非ラピッドサイクラー群241例に分類し、社会人口統計学的、臨床的、アウトカム変数に関して比較した。
主な結果は以下のとおり。
・対象患者289例のうち、フォローアップ中にラピッドサイクルが認められた患者は48例(16.6%)であった。
・2群間でいくつかの違いがみられたが、Cox回帰分析の結果、非定型うつ症状のみ(p=0.001)、発症年齢(p=0.015)、自殺未遂数(p=0.030)がラピッドサイクラー群と有意に関連していた。
・双極性障害患者のラピッドサイクラー化は、慢性化傾向、アウトカム不良、非定型うつ症状に関連していた。また、抗うつ薬の使用率の高さと関連していた。
出典
Valentí M, et al. Bipolar Disord. 2015 Feb 12. [Epub ahead of print]