WEBベースで行う気分変動調査(Mood Swings Questionnaire:MSQ)など自己診断双極性障害スクリーニングの尺度は、高い認容性を有し、良好なアウトカムに結びつくことが明らかにされた。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のParker氏らが、WEB自己スクリーニング尺度の臨床への有用性を検討する公式では初となる試験の結果、報告した。Acta Psychiatr Scand誌オンライン版2012年10月5日号の掲載報告。
WEBベースのMSQを完了し双極性障害の可能性があると判定された人が、そのテストを有用だと判断したか、またその後に優れた臨床経過を有したかどうかを検討した。被験者のベースライン時とフォローアップ3ヵ月時点のデータを解析した。
主な結果は以下のとおり。
・MSQによるスクリーニングで「陽性」であった665例を対象とした。
・MSQに対しては、有益である(informative)、有効である(validating)、または動機づけとなる(motivating)との回答がみられ、満足度は高かった。
・被験者が双極性障害との診断を受けたのは、最初のうつ病エピソードから平均12年後であった。
・大半が、正確な診断を求めたかどうかにかかわらず自己マネジメント戦略を実行した。
・被験者を、スクリーニング後にとった行動の程度により3群に分け解析した。その結果、積極的な行動をとった人、診断確認を行った人は、試験期間中に、抑うつ症状、QOL、全体的な身体機能の改善が認められ、最もよい臨床経過をたどった。
出典
Parker G A et al. Acta Psychiatr Scand. 2012 Oct 5. [Epub ahead of print]