Vancampfort氏らは統合失調症患者の精神症状(陽性症状、陰性症状)や健康に関連する生活の質(HRQL)に対し、ヨガセラピーを行うことが補助的治療として有用かを無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビュ―にて検討した。Acta Psychiatr Scand誌2012年7月号報告。

2人の評価者により、統合失調症患者に対するヨガセラピー介入のRCT研究を選定し、データの抽出、質の評価を行い、基準を満たした3件のRCTをもとに解析を行った。精神症状はPANSSトータルスコアおよびサブスケールスコア、HRQLは短縮版WHOQOL-BREFにて評価した。

主な結果は以下のとおり。

・精神症状の改善はエクササイズや待機コントロールと比較し、ヨガセラピー後に認められた。
・身体的、心理的、社会的、環境的HRQLも同様に、ヨガセラピー後に、より有意な改善を示した。
・いずれのRCTにおいても、有害事象は認められなかった。
・統合失調症患者に対する抗精神病薬の補助的治療として、ヨガセラピーは有用であると考えられる。

出典

Vancampfort D, et al. Acta Psychiatr Scand. 2012 Jul;126: 12-20.