パニック症治療に対する第2世代抗精神病薬(SGAs)の役割が提唱されているが、その有用性は明らかとなっていない。イタリア・Villa San Benedetto Menni病院のPerna Giampaolo氏らは、PRISMAガイドラインに基づき、パニック症(他の併存疾患の有無)治療に対するSGAs(単独または増強療法)の有効性および忍容性に関する無作為化比較試験のシステマティックレビューアップデートを行った。International journal of molecular sciences誌2016年4月13日号の報告。

PubMed、PsycINFO、Embase、Cochrane Library、Clinical trials.govより、2015年12月までの研究を抽出した。210件中5件(パニック症患者の試験2件、パニック症または全般不安症併存の双極性障害患者の試験3件)が対象となった。

主な結果は以下のとおり。

・クエチアピン徐放製剤、リスペリドン、ziprasidone治療による8週間の試験であった。
・全体として、パニック症状に対するSGAsの有効性は示されなかった。
・研究の限界により、リスペリドンのパニック症状に対する有効性の予備的適応は、パニック症に対する使用を支持するには不十分であった。
・しかし、方法論的な限界がこれらすべての研究に悪影響を与えている可能性があるため、結果の妥当性は低下しており、信頼できる結果を引き出すことは難しいと考えられる。
・ziprasidoneを除き、SGAsの忍容性は短期試験において良好であった。

出典

Giampaolo P, et al. Int J Mol Sci. 2016;17.