健忘型軽度認知障害(aMCI)患者における認知症の発症とBMIとの関連について、韓国・延世大学校のByoung Seok Ye氏らは調査した。Journal of Alzheimer’s disease誌オンライン版2015年10月15日号の報告。
747例のaMCI患者の縦断的データより、ベースラインのBMI、その後のBMIの変化(フォローアップ中央値1.6年 [四分位範囲1.0~2.3])と、probableアルツハイマー型認知症(pADD)への進行リスクとの関連を調査した。aMCI患者は、低体重、正常体重、過体重、肥満のサブグループに分類した。さらに、フォローアップ中のBMIの変化に応じて、BMI増加、BMI安定、BMI減少のサブグループに分類した(BMIカットオフ値:フォローアップ中の年平均変化4%)。
主な結果は以下のとおり。
・正常体重群と比較し、低体重群はpADDリスクが高く(HR:1.89、95%CI:1.07~3.37)、肥満群では同リスクが低かった(HR:0.70、95%CI:0.49~0.999)。
・ベースラインのBMIで調整後、BMI減少群(HR:2.29、95%CI:1.41~3.72)、BMI増加群(HR:3.96、95%CI:2.62~6.00)ともにpADDへの進行リスクが増加した。
本調査結果より、ベースライン時の低体重がpADDへの進行リスクと関連する一方で、ベースライン時の肥満は同リスクの低下と関連することが明らかになった。また、ベースライン時のBMIにかかわらず、フォローアップ期間中のBMIの有意な変化はpADDへの進行リスクの高さと関連することが示唆された。
出典
Ye BS, et al. J Alzheimers Dis. 2015 Oct 15. [Epub ahead of print]