がん患者では不眠の有病率が高いことはよく知られている。また、悪夢をみることは睡眠の快適度や満足度に強い悪影響を及ぼす。大阪大学 谷向氏らはがん患者における不眠症および悪夢に対する抗うつ薬トラゾドンの治療効果を検討した。Am J Hosp Palliat Careオンライン版2012年7月9日号の報告。
対象は、2008年~2010年に、大阪大学病院の緩和ケアチームにおいて不眠症(悪夢の有無にかかわらず)を訴え、トラゾドンを処方されたがん患者30例。
主な結果は以下のとおり。
・15例(50%)で治療効果が認められた。
・4例で重症な悪夢を経験していた。そのうち2例で悪夢の軽減が認められた。
・トラゾドンは進行性がん患者における不眠の治療および悪夢の軽減に有用である可能性が示唆された。
出典
Tanimukai H, et al. Am J Hosp Palliat Care. 2012 Jul 9. [Epub ahead of print]